世界1周旅行から見えた世界のEcoな暮らし
海外では「毎日洗髪しないのが当たり前」だということをご存知ですか?
私が初めてこの習慣の違いを知ったのは、約20年前に中国・北京でインターナショナルスクールに通っていた時。
当時、イギリス人の友人宅に泊まりに行った際に、シャワーから出たのに髪を洗っていなかったので「髪はこれから洗うの?」と聞くと、「昨日洗ったから」と返されました。
その時は「今日はちょっと面倒なのかな」程度に思っていましたが、その10年後にアメリカに留学した際に「毎日洗わないのが当たり前」なだけでなく、むしろ「毎日髪の毛を洗ってはいけない」という価値観があることを知り、衝撃を受けました。
私の米英の友人は2~3日に1回、オランダの友人は3日に1回、中国人の友人も2日に1回が通常運転とのこと。中には4~5日に1回という強者もいました。
毎日洗わない理由は、主に2つ。
まず1つは、「その方が髪によい」から。シャンプーは言ってみれば「洗剤」のようなもので、それを使って毎日頭をゴシゴシするのは良くない。また、数日経ってからの髪の毛の方が自然な脂が出て、ムースやワックス要らずの天然の艶出し効果も得られて「セクシー」とのこと。
2つ目の理由は、水の使いすぎを防ぐためのエコの観点から。

世界一周車旅に出ていた際、様々な宿泊施設に泊まったのですが、「シャワーは小出しで5分まで」と、細かい指示があるところもありました。
日本では被災地を除けば、近年生活の中で常々意識するほどの水不足の心配がなく、中々想像が難しいかもしれませんが、人口増加や環境変化の影響で、日常的に使える「きれいな水」が減っているという危機感を持って過ごしている人は多くいます。
南米で訪れたパークパタゴニアは、エコ&サスティナブルなブランドとして有名な「パタゴニア」の創立者がチリ政府に寄付した国立公園で、地球環境にまつわる展示物がたくさんありました。
その情報によると、1日の一人当たりの水の使用量は、アメリカ580L、オーストラリア500Lに次いで日本365L、ブラジル200L、ハイチ20L、モザンビーク5L。同じ時代を生きているのに、こんなにも水の使用量に差が出るとは驚きです。
「きれい好き」で有名な日本ですが、そのきれいさを保つためにどれだけのリソースを活用しているかを改めて把握し、自分自身と身の回りだけでなく、地球規模の美しさを継承していけるような賢い選択をしていくことが今求められているのかもしれません。

でも、今は新型コロナウイルスの懸念などもあり、やっぱり毎日髪を洗わないことは難しい、と感じる方もいらっしゃるでしょう。そういう場合は、水量を少なめにしてみたり、こまめに栓を切ることから始めてみてはいかがでしょうか。
また、海外の方は、髪が脂っこくなってベターっとしてくるのを防ぐために、「ドライシャンプー」という商品を使用します。スプレー、粉など様々な種類がありますが、どれも頭皮に振りかけて脂を吸収し、オイリーヘアーを防ぐためのものです。
アメリカで出会ったドラッグストアの店員の女性(ヨーロッパ出身、推定50代)は、ドライシャンプーよりも「フラワーシャンプー」がオススメよ、と教えてくださいました。
やり方はとても簡単で、生花を少量を手に取り、軽く揉みほぐして、頭皮をマッサージするだけ。ドライシャンプーと同様に、オイリーヘアーを防ぐだけでなく、頭皮を健康に保つ働きがあるとのこと。
まだ試したことがないのですが、例えばちょっと枯れてきてしまったお花を使ってみると、リサイクルにもなりますし、自然の美しさを取り込んでいるようで、心も豊かになれそうですね。
執筆:WELLEME(重岡加奈子)